SDS交付義務の対象物質数は2,316|数え方と別表別の内訳
著者・監修: 依田尚人(YDAIコンサルティング株式会社 代表)
SDS交付義務の対象物質数は2,316|数え方と別表別の内訳
SDS交付等の対象物質は、2026年4月1日時点で法令上の名称ベース2,316物質で、労働安全衛生規則別表第2の2,276、労働安全衛生法施行令別表第9の33、同令別表第3第1号1〜7の7で構成されます。ここでいう2,316は、製品数やCAS番号数ではなく、法令上の名称を別表ごとに数えた合計です。数え方を先に固定しなければ、異なる一覧の数字を比べても対象範囲を正しく判断できません。(出典:労働安全衛生規則別表第2、労働安全衛生法施行令別表第9・別表第3、厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」/確認日: 2026-09-06)
対象物質の規定方式は、令和5年政令第265号が2023年8月30日に公布され、令和5年厚生労働省令第121号が2023年9月29日に公布された後、2025年4月1日に施行されました。本記事は、この改正後の別表と2026年9月6日時点の公開一覧に基づいて整理しています。(出典:労働安全衛生法施行令第18条の2、労働安全衛生規則第34条の2・別表第2/確認日: 2026-09-06)
SDS交付義務の対象物質数とは

SDS通知の対象は、労働安全衛生法施行令第18条の2に定める通知対象物です。対象物質数を使う場合は、どの施行日時点か、別表の項目数か、法令上の名称の合計かを併記します。ここでは2026年4月1日時点の法令上の名称ベースを扱います。(出典:労働安全衛生法施行令第18条の2、労働安全衛生規則第34条の2/確認日: 2026-09-06)
法令上の名称ベース2,316の意味
2,316は、労働安全衛生規則別表第2、労働安全衛生法施行令別表第9、同令別表第3第1号1〜7に掲げられた名称を合計した数です。製剤の品目数、事業場で扱う製品数、CAS番号の件数を示す数字ではありません。製品の確認では、名称と成分情報を用い、数の大きさだけで対象かどうかを決めないことが必要です。(出典:労働安全衛生規則別表第2、労働安全衛生法施行令別表第9・別表第3/確認日: 2026-09-06)
厚生労働省の対象物質一覧では、令和7年4月1日施行分と令和8年4月1日施行分が分けて示されています。この二つの施行日別の数を合計した2,316は、別表ごとの名称の合計とも一致します。数を引用するときは、一覧の施行日別区分と別表別区分を同じ数として混ぜず、何を数えたかを添えます。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」、労働安全衛生規則別表第2/確認日: 2026-09-06)
別表別の内訳
別表別の内訳は、労働安全衛生規則別表第2が2,276、労働安全衛生法施行令別表第9が33、同令別表第3第1号1〜7が7です。2,276に33と7を加えた2,316が、ラベル表示・SDS交付等の対象を法令上の名称で数えた合計になります。(出典:労働安全衛生規則別表第2、労働安全衛生法施行令別表第9・別表第3/確認日: 2026-09-06)
| 区分 | 法令上の名称ベースの数 | 位置付け |
|---|---|---|
| 労働安全衛生規則別表第2 | 2,276 | 省令で定める物 |
| 労働安全衛生法施行令別表第9 | 33 | 表示・通知対象物の区分 |
| 労働安全衛生法施行令別表第3第1号1〜7 | 7 | 製造許可物質の区分 |
| 合計 | 2,316 | 2026年4月1日時点の名称ベース |
表の合計は、異なる法律の物質数を足したものではありません。労働安全衛生法令の対象を同じ時点で分類した内訳です。他法令のSDS制度や物質数は、根拠、対象、所管が異なるため、この合計に加えません。
施行日別に見る対象物質

公開一覧には、令和7年4月1日施行分と令和8年4月1日施行分があります。施行日別の数字は、いつ対象へ加わり、いつラベル表示・SDS交付等が適用されたかを読み分けるための手掛かりです。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」/確認日: 2026-09-06)
令和7年4月1日施行の1,537物質
令和7年4月1日施行分は1,537物質です。この内訳は、労働安全衛生法施行令別表第3第1号の7、同令別表第9の33、労働安全衛生規則別表第2の1,497です。1,537はこの施行日区分の一覧上の数であり、別表第2の全体数2,276とは同じ意味ではありません。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」/確認日: 2026-09-06)
この日から、令別表第9への個別列挙を中心とした規定方式は、GHS分類済み物質を省令の別表で指定する方式へ変更されました。規定方式の改正と、各物質への適用時期は分けて確認します。(出典:労働安全衛生法施行令第18条・第18条の2、労働安全衛生規則第30条・第34条の2・別表第2/確認日: 2026-09-06)
令和8年4月1日施行の779物質
令和8年4月1日施行分の779物質は、2025年4月1日に対象へ加わり、経過措置で適用が猶予され、2026年4月1日に適用開始された物です。2026年4月に新たに対象へ追加された779物質という意味ではありません。適用開始と対象追加の時点を分けることが、在庫品のラベル表示の経過措置を確認する前提になります。(出典:令和5年政令第265号附則第2条・第3条、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)
779は全て労働安全衛生規則別表第2に属し、令和7年4月1日施行分の別表第2の1,497と合わせて2,276になります。令和7年4月1日施行の1,537と令和8年4月1日施行の779を合わせると2,316です。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」、労働安全衛生規則別表第2/確認日: 2026-09-06)
対象範囲を確認するときの注意

対象物質数は、確認の入口になる情報であって、製品単位の結論ではありません。名称、CAS番号、製剤、他法令の対象を別のものとして扱うと、数字だけの比較による誤りを避けられます。
法令上の名称とCAS番号を混同しない
法令上の該当・非該当は物質名で判断する仕組みであり、CAS番号は法令で規定された対象名ではなく参考値です。複数の物質をまとめた名称で規定される場合もあるため、CAS番号の件数を法令上の名称ベース2,316と同じ数として扱うことはできません。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」、労働安全衛生規則別表第2/確認日: 2026-09-06)
確認表には、法令上の名称、SDSに記載された成分名、CAS番号があれば参考情報として分けて記録します。別名、塩、水和物、複数物質をまとめた名称がある場合に、番号だけで照合を終えないためです。製品ごとの判断を記事の一般説明だけで確定することはできません。
他の法律の物質数を合算しない
SDSに関係する制度には、労働安全衛生法のほか、化管法や毒物及び劇物取締法にも根拠があります。それぞれ対象、提供する相手、所管が異なるため、労働安全衛生法令上の2,316に他法令の物質数を加えて総数とすることはできません。(出典:労働安全衛生法施行令第18条の2、労働安全衛生規則第34条の2/確認日: 2026-09-06)
社内の管理表で複数法令を扱う場合も、根拠法令の列を分けます。数の一致・不一致よりも、譲渡・提供の相手、取扱う業務、各制度の通知又は管理の要件を確認することが実務上の出発点です。
公開リストを使う前に整理する情報

公開リストは、法令上の名称を確認するための入口です。照合する前に製品と取引の情報を整えると、検索結果を目的に応じて読み分けやすくなります。
製品名と成分情報をそろえる
製品名だけでなく、成分情報、既存のSDS、譲渡・提供する相手、職場で製造又は取り扱う業務を整理します。SDS通知は通知対象物を譲渡・提供する者に関わり、リスクアセスメントは対象物を製造又は取り扱う事業者に関わるため、同じ製品でも確認する行為が異なることがあります。(出典:労働安全衛生法第57条の2第1項・第57条の3第1項/確認日: 2026-09-06)
一覧との照合結果には、確認日と参照した資料を残します。SDSの「人体に及ぼす作用」は、通知対象物について5年以内ごとに変更の要否を確認し、変更が必要なときは確認から1年以内に変更する義務があります。製品情報の更新を確認する契機として、資料の版も対応付けます。(出典:労働安全衛生規則第34条の2の5第2項/確認日: 2026-09-06)
個別の該否を確定しない確認順
一般的には、対象物質一覧で法令上の名称を確認し、製品のSDSと成分情報を照らし、譲渡・提供又は製造・取扱いの実態を確認します。この順は確認漏れを見つけるためのものであり、個別の該当・非該当を記事だけで決める手順ではありません。
SDS通知義務そのものは、労働安全衛生法第119条・第120条の罰則列挙に含まれていません。労働基準監督官の臨検監督等で法令違反が確認されれば、是正勧告又は指導が行われ、是正されない場合などに送検へ進む段階があります。個別の判断は、所轄労働基準監督署又は専門家へ確認します。(出典:労働安全衛生法第57条の2第1項、第119条、第120条/確認日: 2026-09-06)
この扱いは2030年3月31日までのものです。2030年4月1日からは、同法第57条の2第1項の規定による通知をせず、又は虚偽の通知をしたときが同法第119条第4号に加わり、6月以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象になります(令和7年法律第33号。施行期日を定めた政令が令和8年政令第195号です)。同条第2項の変更時の通知も同日から義務になりますが、罰則の列挙には入りません。(出典:労働安全衛生法第57条の2、第119条/令和7年法律第33号附則第1条第7号、令和8年政令第195号/確認日: 2026-09-12)
よくある質問

2,316物質は何を数えた数ですか
労働安全衛生法の表示・通知対象を、法令上の名称で数えた合計です。内訳は労働安全衛生規則別表第2の2,276、労働安全衛生法施行令別表第9の33、同令別表第3第1号1〜7の7です。(出典:労働安全衛生規則別表第2、労働安全衛生法施行令別表第9・別表第3/確認日: 2026-09-06)
CAS番号の件数と同じですか
同じではありません。法令上の名称ベースとCAS番号等の物質単位は数え方が異なるため、足し合わせず、確認目的に応じて区別します。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」/確認日: 2026-09-06)
公開リストだけで自社製品の対象可否を決められますか
公開リストは確認の出発点です。製品の成分や譲渡・提供の実態を含めた個別判断は、所轄労働基準監督署又は専門家へ確認します。(出典:労働安全衛生法施行令第18条の2、労働安全衛生規則第34条の2/確認日: 2026-09-06)
まとめ
SDS交付等の対象物質数2,316は、2026年4月1日時点の法令上の名称ベースであり、2,276、33、7の別表別内訳から成ります。CAS番号、製品数、他法令の数と混ぜず、施行日別の区分も分けて扱うことが重要です。制度全体との関係は、化学物質規制の全体像で確認できます。
掲載内容の訂正やご意見は、お問い合わせの該当種別から連絡できます。対象物質の個別判断は、所轄労働基準監督署又は専門家へ確認してください。
出典
- 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)
- 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)
- 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)
- 厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」(anzeninfo.mhlw.go.jp)
- 基発0830第1号「労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令等の施行について」(jaish.gr.jp)
著者・監修
依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表
依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。労働安全衛生法のSDS・ラベル表示・リスクアセスメント義務と対象物質の改正動向について、e-Gov・厚生労働省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。
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