SDS翻訳を外部へ依頼する前に|依頼範囲と原文情報の整理
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
SDS翻訳を外部へ依頼する前に、原文、対象製品、用途、既存SDS、希望する納品物と更新時の役割を分けて整理します。依頼先ごとの実名評価や費用比較ではなく、同じ条件で依頼内容を伝えられる状態を作ります。
翻訳を必要とする資料が複数ある場合は、原文の版、提供者、更新日、製品名を対応付けます。資料の抜けや版の取り違えがあるまま依頼内容を決めると、納品後に確認する範囲も曖昧になりやすくなります。
翻訳依頼前に整理する範囲
依頼前には、原文情報、製品情報、用途、希望する納品物、確認する担当、更新時の役割を分けます。翻訳する箇所だけを切り出す前に、どのSDSのどの版を対象にするかを特定します。
依頼内容を比較するときも、同じ情報がそろっていなければ内容の違いを確認できません。依頼書には、原文のファイル名、版、提供者、対象製品、利用する場面、納品物の形式、確認する担当を一覧にします。
| 依頼前にそろえる情報 | 確認する内容 | 依頼内容への記載例 |
|---|---|---|
| 原文 | 言語、版、更新日、提供者 | 対象資料を特定する情報 |
| 製品 | 製品名、成分に関する資料、用途 | 対象製品と利用場面 |
| 納品物 | 必要な形式、対象範囲 | 希望する成果物 |
| 更新時の役割 | 誰が確認し、誰へ連絡するか | 更新後の確認担当 |

原文と製品情報をそろえる
原文の版・提供者・更新日を確認する
原文のSDSは、ファイル名だけで管理せず、版、作成日または更新日、提供者、受領日を確認します。複数の言語版や改訂版がある場合は、どの版を依頼対象にするかを先に決め、旧版が混ざらないようにします。
原文を依頼先へ渡す前に、資料が欠けていないかを確認します。添付資料、ページ数、図表、別紙など、納品物の確認に関わる情報を一覧にすると、依頼後に追加資料が出た場合も対応しやすくなります。

製品・用途・成分情報を整理する
製品名、用途、成分に関する情報は、原文のSDSと対応付けます。社内の略称だけで依頼すると、依頼先がどの製品についての資料か判断しにくくなるため、提供者の製品名や識別情報も確認します。
用途は、翻訳した資料をどの場面で参照するかを伝える情報です。製品を扱う予定の部門、取引先へ提供する予定、既存のSDSがあるかを整理し、依頼範囲と必要な納品物を考えます。
依頼範囲を言葉にする
必要な納品物と利用場面を整理する
依頼する範囲は、翻訳する原文、必要な納品物の形式、利用する場面、確認する担当をまとめて決めます。原文全体を対象にするのか、特定の資料を対象にするのかを明確にし、対象外の資料がある場合も一覧にします。
納品物を受け取った後に誰が確認するかも、依頼前に整理します。製品名、版、提供者、用途、納品物を一組にすれば、受領後に元の原文と照合しやすくなります。

改訂時の確認役割を整理する
SDSは改訂される可能性があるため、依頼時には改訂が分かったときの連絡先と確認担当を整理します。誰が原文の更新を確認するか、誰が翻訳済み資料との違いを見るか、誰が関係者へ共有するかを分けます。
役割を一人に集めるか複数人で分けるかは組織によって異なります。重要なのは、原文の版、翻訳した資料の版、確認日、担当を対応付け、更新後に参照する資料を追える状態にすることです。
比較前にそろえる条件
同じ条件で依頼内容を見比べる理由
外部への依頼内容を比べるときは、原文、対象製品、用途、納品物、確認する担当、更新時の役割を同じ条件で整理します。条件が異なる依頼内容を並べても、どの範囲を比べているかが分かりません。
翻訳の依頼先を選ぶ場合は、一つの条件だけで結論を出さず、必要な範囲を満たせるか、原文と製品情報を確認できるか、更新時の連絡方法が明確かを確認します。自社対応と外部委託の整理は、SDSの自社対応と外部委託の選び方も参照できます。

依頼内容を作る一覧には、原文のファイル名、言語、版、提供者、更新日、対象製品、用途、希望する納品物、確認担当、更新時の役割を記録します。資料の名前だけを伝えると、どの版を対象にするのか、どの製品に関する翻訳かが分からないことがあります。
原文に複数のファイルや別紙がある場合は、依頼対象の資料と参照用の資料を分けます。ページや添付資料の不足がないか、原文の版が混在していないかを確認し、追加資料を送る場合も対象製品と対応付けます。
製品情報は、製品名、提供者、用途、既存のSDS、成分に関する資料を整理します。依頼後に用途や製品が変わる可能性がある場合は、変更予定と確認する担当を記録します。原文の内容と社内の製品情報は分けて保管します。
希望する納品物は、利用する場面と確認する担当を踏まえて整理します。納品物を受け取った後に、誰が原文の版と照合するか、誰が更新を確認するか、誰が関係者へ共有するかを分けると、更新時に確認する範囲を追いやすくなります。
依頼内容に変更が出た場合は、変更した日、変更した資料、対象製品、連絡した相手、確認する担当を残します。最初の依頼内容を上書きするだけでは、どの原文と納品物を比べるかが不明になるため、版と確認日を対応付けます。
依頼範囲を検討する材料として、SDS作成を外部へ依頼する場合の整理も参照できます。依頼先ごとの条件を比べる際には、原文、製品、用途、納品物、更新時の役割を同じ欄にそろえます。
翻訳後の資料は、原文の版、納品物の版、確認日、保管先を対応付けます。資料が更新されたときに以前の翻訳を参照し続けないよう、更新を知った日と確認する担当も記録します。

依頼内容を関係者へ共有する場合は、原文の版、対象製品、用途、希望する納品物、確認担当、更新時の役割を一緒にします。資料名だけを共有すると、どの版を依頼するかや、納品後に誰が確認するかが不明になりやすいためです。
原文に更新があった場合は、更新を知った日、更新後の版、対象製品、依頼内容への影響、確認する担当を記録します。以前の依頼内容を上書きするのではなく、どの原文と納品物を比較するかを確認できるように、版と確認日を対応付けます。
翻訳後の資料を保管するときは、原文の版、納品物の版、製品名、提供者、確認日、保管先を一覧にします。資料が更新された場合に、旧い翻訳を参照し続けないよう、次に確認する担当と資料を記録します。
依頼資料を見直す際は、原文の版、提供者、対象製品、用途、納品物、確認担当、更新時の役割、確認日を一つの一覧にします。過去の依頼内容を新しい資料で上書きするのではなく、どの原文とどの納品物を確認したかを対応付けます。
資料を社内で共有する場合は、原文だけではなく、対応する製品名、用途、希望する納品物、確認担当、保管先、確認日を添えます。資料を受け取る人が、原文、依頼内容、納品物、更新後の資料を別に確認できる状態を保ちます。
製品、用途、原文の版、提供者、依頼範囲に変更が生じたときは、以前の依頼記録を基に、どの情報を再確認するかを整理します。一般的な依頼準備と個別の依頼条件を分け、必要な資料をそろえて確認します。
依頼内容を確定する前には、原文の版、対象製品、用途、納品物、確認担当、更新時の役割に不足がないかを確認します。資料が追加された場合は、いつ、どの製品に関する原文を追加したかを記録し、依頼範囲と納品物の関係を見直します。
納品物を受け取った後の確認に備え、原文と納品物の保管先、版、確認日、確認担当を共有します。更新後の原文が届いた場合には、以前の依頼記録と対応付け、どの資料を再確認するかを整理します。
確認記録は、担当者が替わった時にも参照できるよう、製品名、提供者、資料の版、確認日、保管先、確認した目的を対応付けます。前回の記録を残して新しい記録を追加すると、資料や取引の変更がどの確認に影響するかを整理しやすくなります。確認できない項目は空欄のままにせず、確認する資料または確認先を記録します。一覧を定期的に見直し、変更がない場合にも確認した日と資料を残します。
まとめ
SDS翻訳を外部へ依頼する前には、原文の版と提供者、対象製品、用途、納品物、確認担当、更新時の役割を分けて整理します。同じ条件で依頼内容をまとめると、受領後に原文と照合する範囲も明確になります。
自社対応と外部委託の整理はSDSの自社対応と外部委託の選び方、SDSの更新管理はSDSの入手・管理・更新の実務フロー、発注の考え方は選び方・発注ガイドカテゴリを参照してください。
よくある質問
- Q. 翻訳依頼前に何を用意しますか。
- 原文、原文の版、提供者、製品名、用途、既存SDS、希望する納品物、確認担当、更新時の役割を用意します。資料は対象製品ごとに対応付けます。
- Q. 原文の版はなぜ確認しますか。
- 版を確認すると、どの資料を依頼対象にしたか、納品物をどの原文と照合するか、更新後にどの資料を見直すかを整理できます。原文の更新日と確認日も一緒に記録します。
- Q. 一つの条件だけで依頼先を選べますか。
- 選びません。原文、対象製品、用途、納品物、確認担当、更新時の役割といった同じ条件をそろえ、必要な範囲を満たせるかを確認します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)