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ラベル表示の経過措置はいつまで|2027年3月31日までの在庫品対応

著者・監修: 依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

ラベル表示の経過措置はいつまで|2027年3月31日までの在庫品対応

2026年4月1日時点に在庫として存在した779物質は、ラベル表示に限り2027年3月31日まで猶予があり、SDS交付には同じ猶予はありません。この経過措置は、すべての在庫品や化学物質に一律に当てはまるものではなく、対象物、在庫となった時点、ラベル表示という行為をそろえて確認します。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

根拠は令和5年政令第265号附則第2条・第3条と基発0830第1号です。779物質は2025年4月1日に対象へ加わり、経過措置で適用が猶予された後、2026年4月1日にラベル表示・SDS交付等が適用開始されました。本記事では、2026年9月6日時点で確認したこの経過措置の範囲を説明します。(出典:令和5年政令第265号附則第2条・第3条、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

ラベル表示の経過措置の範囲

779物質の在庫品に限るラベル表示の経過措置を示す図
779物質の在庫品に限るラベル表示の経過措置を示す図

経過措置の対象は、779物質のうち、2026年4月1日に現に存在した物です。ラベル表示を定める労働安全衛生法第57条第1項に限った扱いであり、物質名だけで対象を決めることはできません。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、労働安全衛生法第57条第1項/確認日: 2026-09-06)

対象になる在庫品の条件

対象となるのは、経過措置で適用が猶予されていた779物質のうち、2026年4月1日に現に存在する物です。2026年4月1日より後に新たに製造又は取得した物を、在庫品であるという理由だけで同じ扱いにすることはできません。対象物と在庫時点を対応させて確認します。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

対象物の確認には、製品名、成分情報、SDS、入出庫の記録を分けて並べます。779という数は厚生労働省の一覧で令和8年4月1日施行分として示される区分であり、個別の製品が経過措置の対象かどうかを示す番号ではありません。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

2027年3月31日という期限

779物質で2026年4月1日に現に存在する物について、ラベル表示の経過措置は2027年3月31日までです。この期限は、対象の物に対して労働安全衛生法第57条第1項を適用しない期間の終わりを示します。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

期限を確認するときは、在庫品のうち対象となる物を抽出し、容器又は包装で譲渡・提供する予定と結び付けます。ラベルの改訂準備を期限だけで管理せず、対象物、在庫の時点、譲渡・提供の有無を合わせて記録すると、通常の表示確認と経過措置の確認を分けられます。

SDS交付と分けて考える理由

ラベル表示の猶予とSDS交付およびリスクアセスメントを分ける図
ラベル表示の猶予とSDS交付およびリスクアセスメントを分ける図

ラベル表示、SDS交付、リスクアセスメントはそれぞれ根拠条文と確認する行為が異なります。在庫品の経過措置を扱うときも、ラベル表示だけの期限を他の制度に広げないことが必要です。

SDS交付に同じ猶予がないこと

SDS交付は、労働安全衛生法第57条の2第1項により、通知対象物を譲渡・提供する者が行う制度です。779物質のうち2026年4月1日に現に存在する物について残る経過措置は、同法第57条第1項のラベル表示に限られます。SDS交付は、2027年3月31日まで猶予される制度ではありません。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、労働安全衛生法第57条の2第1項/確認日: 2026-09-06)

SDSの通知事項には、名称、成分及び含有量、人体に及ぼす作用、取扱い上の注意などがあります。譲渡・提供する時までに通知するという時期の要件も、ラベル表示の在庫品猶予とは別に確認します。(出典:労働安全衛生規則第34条の2の4、第34条の2の5第1項/確認日: 2026-09-06)

リスクアセスメントを一律猶予としないこと

リスクアセスメントは、対象物を製造又は取り扱う事業者が行う危険性又は有害性の調査です。対象物を新規に採用又は変更するとき、作業方法又は手順を新規に採用又は変更するとき、危険性又は有害性に変化が生じ、又は生ずるおそれがあるときに実施します。(出典:労働安全衛生法第57条の3第1項、労働安全衛生規則第34条の2の7第1項/確認日: 2026-09-06)

令和5年政令第265号の779物質に関する経過措置で適用しないとされたのは、労働安全衛生法第57条と第57条の2です。リスクアセスメントが一律に猶予されるわけではないため、職場で製造・取り扱う実態と実施時期を別に整理します。(出典:令和5年政令第265号附則第2条、労働安全衛生法第57条の3第1項/確認日: 2026-09-06)

在庫品を確認する順番

在庫の確認からラベルとSDSを分けるまでのフロー
在庫の確認からラベルとSDSを分けるまでのフロー

在庫品の確認では、先に物質名だけを検索するより、基準日、対象物、譲渡・提供の予定を一覧化します。確認の順を固定すると、ラベル表示の猶予とSDS交付の通常の確認を同じ欄に混ぜずに済みます。

2026年4月1日時点の在庫を整理する

まず、2026年4月1日に存在していた在庫を記録から抽出します。対象候補には、製品名、成分情報、既存のSDS、保管場所、基準日時点の在庫であることを対応付けます。対象は779物質に限られるため、公開一覧の令和8年4月1日施行分と照らすための情報をそろえます。(出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づくラベル表示・SDS交付等の義務対象物質一覧」、令和5年政令第265号附則第3条/確認日: 2026-09-06)

次に、対象候補が容器又は包装で譲渡・提供されるかを確認します。ラベル表示の義務は、対象物を容器に入れ、又は包装して譲渡・提供する者に関わるため、保管中の情報と将来の譲渡・提供の態様を分けて扱います。(出典:労働安全衛生法第57条第1項/確認日: 2026-09-06)

ラベルとSDSの対応状況を分ける

ラベルについては、対象物、2026年4月1日時点の在庫、2027年3月31日までの経過措置という三つの条件を記録します。SDSについては、譲渡・提供する時までに通知する要件と、既存SDSの通知事項を別に確認します。両方を一つの期限欄で管理しないことが重要です。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、労働安全衛生規則第34条の2の5第1項/確認日: 2026-09-06)

SDSの「人体に及ぼす作用」は、通知対象物について5年以内ごとに変更の要否を確認し、変更が必要なときは確認から1年以内に変更する義務があります。在庫品のラベル表示猶予とは別の更新要件なので、SDSの確認日と変更の要否も記録します。(出典:労働安全衛生規則第34条の2の5第2項/確認日: 2026-09-06)

期限までに残す記録

根拠資料と確認日および相談先を整理する記録管理図
根拠資料と確認日および相談先を整理する記録管理図

経過措置の確認では、結論だけでなく、どの資料で何を確認したかを残します。後から製品、在庫、譲渡・提供の状況が変わった場合に、見直す条件をたどれるようにするためです。

根拠資料と確認日

記録には、対象物を確認した公開一覧、参照したSDS、在庫を確認した日、2026年4月1日時点に存在したことを確認した資料を対応付けます。経過措置の根拠は令和5年政令第265号附則第3条であり、確認日は2026年9月6日です。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

ラベル表示の対象範囲には、運搬中及び貯蔵中に固体以外にならず、粉状にもならない物についての除外があります。一方で、SDS通知には同じ除外はありません。確認記録では、ラベルとSDSで参照した根拠を分けておくと、対象範囲を同一視しにくくなります。(出典:労働安全衛生規則第30条ただし書、第34条の2/確認日: 2026-09-06)

個別の判断を相談する場面

製品ごとの個別判断は、所轄労働基準監督署又は専門家へ相談します。成分情報、基準日時点の在庫、物の状態、譲渡・提供の態様を含む判断は、一般的な制度説明だけで確定できないためです。

なお、ラベル表示の義務違反に関する労働安全衛生法第57条第1項の法定刑と、SDS通知義務の扱いは同一ではありません。臨検監督等で違反が確認された場合には是正勧告又は指導が行われ、是正されない場合などに送検へ進む段階があります。期限だけで判断せず、根拠条文と実態を確認します。(出典:労働安全衛生法第57条、第57条の2、第119条、第120条/確認日: 2026-09-06)

よくある質問

2027年3月31日までの経過措置の要点をまとめた図
2027年3月31日までの経過措置の要点をまとめた図

経過措置の対象はすべての在庫品ですか

対象は、779物質のうち2026年4月1日に現に存在する物です。ラベル表示について2027年3月31日まで猶予されます。(出典:令和5年政令第265号附則、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

SDSも2027年3月31日まで待てますか

いいえ。SDS交付は、この在庫品のラベル表示猶予の対象ではありません。(出典:令和5年政令第265号附則、基発0830第1号/確認日: 2026-09-06)

製品ごとの適用可否は記事だけで決められますか

記事では一般的な確認順を示します。製品の成分、在庫時点、譲渡・提供の実態を含む個別判断は、所轄労働基準監督署又は専門家へ確認します。(出典:令和5年政令第265号附則第3条、労働安全衛生法第57条/確認日: 2026-09-06)

まとめ

779物質の在庫品に残る経過措置は、2026年4月1日に現に存在した物について、ラベル表示だけを2027年3月31日まで猶予するものです。SDS交付とリスクアセスメントを同じ期限で扱わず、対象物、基準日時点の在庫、譲渡・提供又は取扱いの実態を分けて確認します。化学物質規制の全体像SDS交付義務の対象物質数2026年4月のSDS・ラベル表示義務も関連する確認事項です。

掲載内容の訂正やご意見は、お問い合わせの該当種別から連絡できます。製品ごとの判断は、所轄労働基準監督署又は専門家へ確認してください。

出典

著者・監修

依田尚人YDAIコンサルティング株式会社 代表

依田尚人は YDAIコンサルティング株式会社 代表。労働安全衛生法のSDS・ラベル表示・リスクアセスメント義務と対象物質の改正動向について、e-Gov・厚生労働省等の公開情報を一次ソースまで確認する工程を標準として、本サイトの記事を設計・監修しています。

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