SDSの交付方法|メール・URL・二次元コードで通知する際の確認点
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
SDSは、相手方が内容を確認できる方法で通知することが前提です。メール、URL、二次元コードを使う場合も、通知時期と閲覧できる状態を別々に確認します。
譲渡・提供の記録には、SDSの内容だけでなく、いつ、誰に、どの方法で伝えたかが関わります。通知方法の選択を先に固定せず、取引先が情報を確認する場面から整理すると、伝達後の見直しもしやすくなります。
交付方法を選ぶ前に確認すること
SDSの通知は、文書を渡す方法だけに限られません。労働安全衛生規則第34条の2の3は、記録媒体、FAX、電子メール、ホームページのアドレスと閲覧を求める旨の伝達などを通知方法として定めています(出典:労働安全衛生規則第34条の2の3/確認日: 2026-09-06)。
方法を決める前に、対象となる製品、通知する相手方、譲渡・提供の予定日、相手方が閲覧する入口を対応付けます。SDS通知の根拠は労働安全衛生法第57条の2第1項であり、通知対象物を譲渡・提供する者に関する規定です(出典:労働安全衛生法第57条の2第1項/確認日: 2026-09-06)。
| 確認する項目 | 整理する内容 | 記録する時点 |
|---|---|---|
| 通知する情報 | SDSの版、製品名、通知事項 | 提供前 |
| 通知方法 | 文書、メール、URL、二次元コードなど | 方法を決めた時 |
| 閲覧の入口 | URLの送付先、二次元コードの案内先 | 通知した時 |
| 通知の記録 | 相手方、通知日、伝達方法 | 通知後 |

通知に使える方法
文書・記録媒体・FAX・メールで伝える場合
文書の交付、記録媒体の交付、FAX送信、電子メール送信は、SDSの通知方法として規定されています。どの方法でも、通知するSDSがどの製品に対応するか、受け取る相手方が誰かを取り違えないように整理します(出典:労働安全衛生規則第34条の2の3/確認日: 2026-09-06)。
メールを使うときは、送信先だけを管理するのではなく、送信したSDSの版と製品名も結び付けます。取引先の担当変更や製品の追加が起きたときに、前回の通知内容を確認できるためです。

URLや二次元コードで閲覧を求める場合
ホームページのアドレスを伝える方法では、当該事項を記載したURLを示すことに加え、相手方へ閲覧を求める旨を伝えます。二次元コードも、URLを伝える手段の一つとして扱われます(出典:労働安全衛生規則第34条の2の3/確認日: 2026-09-06)。
URLや二次元コードを使う場合は、コードを印刷・掲示したことだけで通知済みとは考えません。譲渡・提供の相手方へ伝わる経路、リンク先で対象のSDSを確認できる状態、伝達した日を分けて残します。

提供時に残す確認事項
譲渡・提供する時までに確認すること
SDSの通知時期は、譲渡・提供する時までです。継続的・反復的な譲渡・提供で既に通知している場合を除く取扱いであり、製品の出荷日だけを記録するのではなく、通知の時点を確認します(出典:労働安全衛生規則第34条の2の5第1項/確認日: 2026-09-06)。
提供前の確認では、製品名、SDSの版、通知先、通知方法を一組にします。通知方法を後から変更するときも、何をどの経路で伝えたかを追える状態にしておくと、改訂時の再確認に役立ちます。
通知先と確認日の記録を分ける理由
通知先の記録は、誰に情報を伝えたかを確認するためのものです。確認日は、SDSの内容や版をいつ確認したかを示す情報であり、通知日と同じ意味ではありません。
この二つを分けると、SDSの版を確認した後に取引先へ通知した経緯を追えます。通知対象物の人体に及ぼす作用は、直近の確認日から5年以内ごとに変更の要否を確認する規定があるため、版と確認日の管理も重要です(出典:労働安全衛生規則第34条の2の5第2項/確認日: 2026-09-06)。

個別の適用を確認する場面
対象物や相手方の扱いを所轄窓口へ確認する場面
製品が通知対象物に当たるか、どの相手方への通知が必要かは、製品の成分、用途、譲渡・提供の形態で変わり得ます。一般的な通知方法の整理と、個別の適用判断は分けて考えることが大切です。
判断に迷うときは、製品名、SDS、用途、取引の流れ、確認済みの資料をそろえたうえで、所轄労働基準監督署や専門家へ確認します。対象物を調べる順番は、自社の取扱物質が対象か確認する手順も参考になります。

通知の一覧を作る際は、製品名、SDSの版、通知先、通知方法、通知日、確認日を別の項目にします。通知先を取引先名だけで残すと、どの部門や担当者が資料を確認する入口だったかを後から追いにくくなります。相手方へ伝えた案内と、実際に参照したSDSのURLまたはファイルを対応付けます。
URLを使う場合は、リンク先が製品ごとのSDSに到達するか、案内文に閲覧を求める旨があるか、変更後も同じURLで確認できるかを確認します。二次元コードを使用する場合も、コード自体を保管するだけでなく、読み取った先の情報、コードを伝えた資料、確認した日を記録します。
通知先の担当変更、提供する製品の追加、SDSの改訂があった場合は、以前の通知一覧を見直します。新しい資料を送った記録と、旧版を確認した記録を同じものとして扱わないと、どの時点から何を伝えたかが不明になりやすくなります。製品ごとに版と通知日を残すことが重要です。
通知方法の整理は、対象物の確認と切り離せません。製品が通知対象となるかを確認するときは、自社の取扱物質が対象か確認する手順を参照し、制度の位置付けは化学物質規制の全体像で確認できます。
通知方法を確認する記録には、製品名、提供者、SDSの版、通知先、通知方法、通知日、確認日、参照するURLまたは資料を残します。二次元コードを使う場合も、コードだけでなく、読み取った先のSDSと案内した相手方を対応付けます。
メールやURLで資料を伝えた後にSDSが更新された場合は、変更後の版、変更を確認した日、相手方へ案内した日を分けます。以前のメールやURLをそのまま使う場合も、対象の製品とSDSの版に到達できるかを確認し、記録を更新します。
通知先の担当者や部門が変わる場合は、前回の通知記録と現在の相手方を照合します。取引先名だけでなく、誰がどの資料を確認するかを整理し、資料の版と通知日の関係を残すことで、後から通知の経緯を確認しやすくなります。
通知方法の記録を見直す際は、製品名、提供者、SDSの版、通知先、通知方法、通知日、確認日、参照するURLまたは資料を一つの一覧にします。過去の案内を新しい資料で上書きするのではなく、どの相手方へどの入口を伝えたかを対応付けます。
資料を社内で共有する場合は、URLや二次元コードだけではなく、対応する製品名、SDSの版、通知先、通知日、確認日、確認した目的を添えます。資料を受け取る人が、通知した入口と受領済みSDSを別に確認できる状態を保ちます。
製品、提供者、SDSの版、通知先、URLの状態に変更が生じたときは、以前の記録を基に、どの情報を再確認するかを整理します。一般的な通知方法の説明と個別取引の判断を分け、必要な根拠資料をそろえて確認します。
確認記録は、担当者が替わった時にも参照できるよう、製品名、提供者、資料の版、確認日、保管先、確認した目的を対応付けます。前回の記録を残して新しい記録を追加すると、資料や取引の変更がどの確認に影響するかを整理しやすくなります。確認できない項目は空欄のままにせず、確認する資料または確認先を記録します。一覧を定期的に見直し、変更がない場合にも確認した日と資料を残します。
まとめ
SDSの通知では、情報を伝える方法、相手方が閲覧する入口、譲渡・提供する時までの通知、確認日の記録を分けて管理します。メール、URL、二次元コードのどれを使うかだけでなく、製品とSDSの版、通知先、通知日を対応付けることが実務上の土台になります。
SDSの更新確認と記録の流れは、SDSの入手・管理・更新の実務フローもあわせて参照してください。法令・制度解説は法令・制度解説カテゴリに掲載しています。
よくある質問
- Q. URLだけを伝える場合に確認することは何ですか。
- URLを伝える場合は、相手方へ閲覧を求める旨を伝え、対象のSDSを確認できる状態にします。URL、製品名、通知先、伝達日を対応付けておくと、後から通知の経緯を確認しやすくなります(出典:労働安全衛生規則第34条の2の3/確認日: 2026-09-06)。
- Q. 二次元コードを使う場合も確認日を残しますか。
- 二次元コードはURLを伝える方法の一つです。コードを使う場合も、通知日とは別に、SDSの版や内容を確認した日を残すと、改訂や再通知の確認につながります(出典:労働安全衛生規則第34条の2の3・第34条の2の5第2項/確認日: 2026-09-06)。
- Q. 取引先ごとに通知方法を変えてよいですか。
- 通知方法は、文書、記録媒体、FAX、電子メール、URLと閲覧を求める旨の伝達などから選べます。取引先ごとに方法が異なる場合も、どの相手方へどの方法で通知したかを記録し、譲渡・提供する時までの通知を確認します(出典:労働安全衛生規則第34条の2の3・第34条の2の5第1項/確認日: 2026-09-06)。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)
- 2.労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)