ラベル表示とSDSの違い|対象範囲を分けて確認する手順
著者・監修 ・ YDAIコンサルティング株式会社 代表
目次
ラベル表示とSDS通知は関連しますが、対象範囲は同じではありません。容器・包装に表示する場面と、化学物質を譲渡・提供する際にSDSを通知する場面を分けて確認します。
両方に製品名や危険有害性に関する情報が関わるため、資料を見比べるだけでは混同しがちです。最初に、何をどの媒体で誰へ伝えるのかを整理すると、ラベルとSDSそれぞれの確認点を追いやすくなります。
ラベルとSDSの違い
労働安全衛生法第57条は、対象となる化学物質等を容器・包装に入れて譲渡・提供する者に表示を求めています。第57条の2は、対象となる化学物質等を譲渡・提供する者に、相手方へのSDS通知を求める規定です(出典:労働安全衛生法第57条・第57条の2/確認日: 2026-09-06)。
ラベルは容器・包装に結び付く情報であり、SDSは相手方へ通知する情報です。同じ製品を扱っていても、容器・包装の状況、取引の形態、通知する相手方を別に見ます。
| 比べる項目 | ラベル表示 | SDS通知 |
|---|---|---|
| 情報を示す場面 | 容器・包装に入れて譲渡・提供する場面 | 化学物質等を譲渡・提供する場面 |
| 主な媒体 | 容器・包装上の表示、票箋など | 文書、電子メール、URLなど |
| 確認する相手 | 製品を受け取る側が容器・包装で確認する | 譲渡・提供の相手方がSDSで確認する |

ラベル表示を確認する順番
容器・包装で譲渡・提供する場面
ラベル表示を確認するときは、製品が容器・包装に入っているか、誰が譲渡・提供するか、どの表示事項が製品に対応しているかを順に確認します。表示事項には名称、人体に及ぼす作用、取扱い上の注意、表示する者の氏名または名称・住所などが関わります(出典:労働安全衛生法第57条/確認日: 2026-09-06)。
ラベルの文面とSDSの内容が同じかだけを比べるのではなく、製品名、版、提供者の情報が揃っているかを見ます。表示事項は、製品ごとにSDSと提供者資料を照合して確認します。

固体・粉状に関する除外を一般的に読む方法
固体または粉状の物に関する除外は、物の状態だけで結論を出さず、法令上の条件を資料に照らして確認します。製品の名称、形状、提供形態、成分に関する資料を集め、個別の製品を一般論から当てはめないことが大切です。
除外に当たるかは、製品ごとの事情で異なり得ます。ラベル表示の対象や変更時期の全体像は、化学物質のラベル表示に関する制度変更と経過措置を確認するポイントを参照し、判断が必要な場合は確認先へ相談します。
SDS通知を確認する順番
譲渡・提供する者が確認すること
SDS通知では、譲渡・提供する製品、相手方、通知する資料の版、通知する時点を対応付けます。労働安全衛生規則第34条の2の5は、譲渡・提供する時までに通知することを定めています(出典:労働安全衛生規則第34条の2の5/確認日: 2026-09-06)。
容器・包装にラベルがある場合でも、SDS通知の確認を省略できるとはいえません。相手方がSDSを確認できる方法と、実際に通知した日を分けて記録します。SDSの交付方法では、URLや電子メールを使う場合の確認点を整理しています。

一般消費者向け製品の扱いを決めつけない理由
一般消費者が通常の生活の用に供する製品に関する扱いは、製品の用途や提供の状況を確認して判断します。販売先の名称だけで、ラベル表示やSDS通知の要否を一律に決めることはできません。
製品の用途、相手方、提供形態、資料の内容を並べると、確認したい論点が整理されます。個別の適用は、公開情報を手掛かりにしても結論を急がず、所轄労働基準監督署や専門家へ確認します。

個別製品の判断を分ける
公開情報と所轄窓口を使う場面
公開されている法令やSDSは、確認を始めるための重要な資料です。一方で、特定の製品が表示・通知の対象になるかは、成分、用途、譲渡・提供の形態などを踏まえて確認する必要があります。
製品名、SDS、ラベル、用途、取引先との関係をそろえ、どの規定との関係を確認したいかを明確にします。対象確認の流れは、自社の取扱物質が対象か確認する手順で整理できます。

ラベルとSDSを管理する一覧では、製品名、容器・包装の有無、ラベルの版、SDSの版、提供者、譲渡・提供の相手方を別の項目にします。同じ製品について二つの資料を参照する場合も、ラベルを確認した日とSDSを確認した日を同じ記録として扱わないようにします。
製品の提供形態が変わると、容器・包装への表示とSDS通知のどちらを確認するかが変わる場合があります。製品の状態、相手方、取引の流れ、添付する資料を整理し、変更前の記録をそのまま当てはめないことが大切です。
社内で確認する担当が分かれている場合は、ラベルを確認する人、SDSを確認する人、取引先への通知を確認する人を一覧にします。資料に差異が見つかったときに、製品名、提供者、版、確認日を共有すれば、確認する範囲を絞り込みやすくなります。
ラベルの変更時期は化学物質のラベル表示に関する制度変更、対象を確認する手順は自社の取扱物質が対象か確認する手順を参照できます。個別の取引に関する適用は資料をそろえて確認します。
ラベルとSDSを確認する資料は、製品名、提供者、容器・包装の有無、SDSの版、ラベルの版、用途、確認日を対応付けます。製品の提供形態が変わる場合には、以前のラベルや通知記録をそのまま使わず、何をどの媒体で伝える場面かを見直します。
製品を受け取る部門と取引先へ提供する部門が異なる場合も、ラベルを確認する担当、SDSを確認する担当、通知の記録を確認する担当を分けます。資料に違いが見つかったときは、製品名、提供者、版、確認日を共有し、どの資料を確認するかを整理します。
公開情報や一般的な解説は、対象確認を始めるための資料です。特定の製品について表示またはSDS通知が必要かを確認する場合は、成分、用途、提供形態、受領済みSDSをそろえ、個別の判断を根拠資料に基づいて確認します。
ラベルとSDSの記録を見直す際は、製品名、提供者、容器・包装の有無、ラベルの版、SDSの版、相手方、確認日を一つの一覧にします。過去の記録を新しい資料で上書きするのではなく、どの表示とどの通知を確認したかを対応付けます。
資料を社内で共有する場合は、ラベルやSDSだけではなく、対応する製品名、提供者、版、相手方、確認日、確認した目的を添えます。資料を受け取る人が、容器・包装への表示と譲渡・提供時の通知を別に確認できる状態を保ちます。
製品、用途、提供形態、SDSの版、容器・包装に変更が生じたときは、以前の確認記録を基に、どの情報を再確認するかを整理します。一般的な解説と個別製品の判断を分け、必要な根拠資料をそろえて確認します。
確認の結果を残すときは、ラベルに関する確認、SDSに関する確認、対象製品、提供者、容器・包装、確認日を分けます。資料の名称だけで保管せず、どの場面で何を確認したかを記録すると、提供形態が変わったときに見直す資料を選びやすくなります。
取引先や社内の部門へ資料を共有する場合は、ラベルまたはSDSのどちらを参照するか、製品名、版、確認日を添えます。個別の適用に関する疑問が残る場合は、一般的な説明で結論を出さず、製品資料と取引の状況を確認します。
確認記録は、担当者が替わった時にも参照できるよう、製品名、提供者、資料の版、確認日、保管先、確認した目的を対応付けます。前回の記録を残して新しい記録を追加すると、資料や取引の変更がどの確認に影響するかを整理しやすくなります。確認できない項目は空欄のままにせず、確認する資料または確認先を記録します。一覧を定期的に見直し、変更がない場合にも確認した日と資料を残します。
まとめ
ラベル表示は容器・包装に示す情報、SDS通知は譲渡・提供の相手方へ伝える情報です。両方が関係する製品でも、対象範囲、媒体、通知時期、記録を分けて確認すると混同を防げます。
制度の全体像は化学物質規制の全体像、表示と通知の確認は法令・制度解説カテゴリを参照してください。
よくある質問
- Q. ラベルが不要ならSDSも不要ですか。
- ラベル表示とSDS通知は、根拠となる規定と確認する場面が異なります。ラベルが不要と考えられる場合も、SDS通知の対象や譲渡・提供の形態を別に確認します(出典:労働安全衛生法第57条・第57条の2/確認日: 2026-09-06)。
- Q. 容器に入っていない場合は何を確認しますか。
- 容器・包装に入っていない場合でも、化学物質等をどの形で誰に譲渡・提供するのか、文書による情報伝達の規定との関係を確認します。取引形態ごとの適用は、資料をそろえて所轄の確認先へ相談します。
- Q. 製品ごとの対象判断はどこへ相談しますか。
- 製品名、SDS、成分に関する資料、用途、譲渡・提供の形態を準備し、所轄労働基準監督署や専門家へ相談します。一般的な解説は確認の入口として使い、個別の結論は資料に基づいて確認します。
出典
本記事の出典は に内容を確認しています。
- 1.労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)
- 2.労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)/e-Gov法令検索(laws.e-gov.go.jp)